今回の話題提供は【福岡県】ITコーディネータ/中小企業診断士、有限会社エムケイブレーン代表の槇本典之会員です。
今後の中小企業施策と省力化について
令和5年度補正予算ではものづくり補助金に省力化(オーダーメイド)枠の新設が行われています。
令和5年度補正予算の概要 (METI/経済産業省)
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/index.html
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金について(Ver.1.0)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_mono_shogyo_service.pdf
これは事業再構築補助金を組みなおした内容になると考えられる「中小企業省力化投資補助事業」での「カタログ型」と対になると思われ、人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した設備の導入等に際し、ベンダーが事前登録した汎用製品から選ぶカタログ型と、個々のビジネスプロセスに応じた専用設備を導入するオーダーメイド型で選択するような形です。
従来でもものづくり補助金デジタル枠とIT導入補助金を使い分けていたのと同様の状況となるのではないでしょうか。
いずれにしても今後のテーマは、目下各方面で深刻化する人手不足の解消に向けた「省力化」がキーワードとなります。
とくに、生産性向上には様々な切り口がありますが、「中小企業省力化投資補助事業」の事業概要でも「簡易で即効性がある省力化投資」が謳われており、シンプルに「いかに作業量を減らすか」を進めるだけでもそれなりに検討は進めやすいでしょう。
改革には現場の声と外部トレンド
しかし、従来のルーチンワークを振り返っても、習慣的・惰性的となっていてはなかなか改善のヒントは得られません。
ポイントは2つで、一つは危機感、もう一つは情報力が重要です。これらはいくら内省だけを行っても転換にはなりませんので、現場の声と外部トレンドを拾い上げる必要があります。
ですが言うは易く行うは難し、考えようによっては経営の抜本的な姿勢とも言えるので、さあやれといえどそうそう具体的な取り組みにつなげることは大変でしょう。鏡と助言なしに美容を学ぶことはできないように、改革には外からの視点や支援は必ず必要です。ビジネスプロセスの点検には必ず社外からの指摘を受けるようにしてください。なおこれは当団体会員のような専門家に限らず、社外役員、社員家族、取引先なども含みます。