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話題:新技術・新情報の追い方、向き合い方

革新的な性能と使い勝手で世間に衝撃を与えたChatGPTの最新版が、企業向けにも提供されるようになりました。

OpenAI、企業向け「ChatGPT Enterprise」提供開始 高速GPT-4でプライバシーも安全(ITmedia NEWS) – Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/46dcb58ff26f1af1d00abacf78a085ea90c48d71


OpenAI社が「ChatGPT」をプロトタイプ公開したのは2022年11月で、そこから生成AIの話題と注目をリードしながらも1年も経っていない、あっという間の出来事のようです。

AIによる記事制作支援も、国産でこのようなサービスが出てきましたので、

SEO記事生成AIライティングツール Value AI Writer byGMO – バリュードメイン
https://www.value-domain.com/lp/value-aiwriter/

いずれここのようなブログ記事も気が付くとAIになっていくかもしれませんね 😀
(8月より開始した「話題」シリーズは会員による持ち回り執筆となっています)


余談ですが、執筆支援AIというと作家神林長平の「言壺」 (ハヤカワ文庫JA) 収録「綺文」を思い出します。
万能著述支援用マシンによる執筆が普及した世界において、主人公はある文学的表現を書こうとするが、マシンはそれを理解せずに拒否し、やっきになった主人公は……という内容。あらすじからドタバタと思いきやSF作家ならではの展開で、初出はまだワープロ時代の1988年です。
もう一つ、星新一の「未来いそっぷ」(新潮文庫)収録の「オフィスの妖精」もあります。
デスクの上にちょこんと載った小さな装置は対話型で今でいうAmazon EchoやGoogle HomeなどのAIアシスタントなのですが、それによって生産性がどんどん上がっていく一方で主人公は次第にそれに依存するようになり……。これも初出はなんと1970年で、作家の想像力はおそろしいものです。


さて、こうなると日の下に新しきものなしというわけで、今話題のChatGPTにも振り回されている場合ではありません。適当に「AI記者」等で数分検索するだけで以下のような記事が出てきました。全部ではありませんが筆者も当時読んだ記事もあります。

2023.7.4
生成AI、報道への活用試す 記者に求められる役割は – 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE061TL0W3A600C2000000/

2022.7.5
「AI記者」に完敗のアラフォー記者 駆け込んだ“原稿執筆カフェ”とは? | AERA dot. (アエラドット)
https://dot.asahi.com/articles/-/3464?page=1

2021.10.29
AIに記者の仕事は奪えるか? ニュース記事を代筆してもらった – ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2110/29/news197.html

2019.3.4
AI記者はジャーナリズムをどう変える、米メディア界の現状 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
https://forbesjapan.com/articles/detail/25578

2017.2.3
AI記者に生身の記者が勝負を挑んでみた:日経ビジネス電子版
https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/221102/020200404/

2016.08
ウェザーニューズがAIで天気予報原稿を代筆、今夏からテレビ局に配信 | 日経クロステック(xTECH)
https://xtech.nikkei.com/it/atcl/column/14/346926/083000618/

ChatGPTが登場する何年も前からその下地は示されていて、今爆発的に話題になっているものでも概念やビジョンは数年以上先行しているものだということです。
新たな時代は未踏の領域かもしれませんが、そこに突入して驚くところから始めていては進むことはできません。未踏と未知は異なるのです。
同じ距離を走っていても、ぼんやり運転するのと、標識や風景、雲行きや反対車線をみるのでは蓄積する情報量と予測精度が圧倒的に違うものでしょう。

しかし、よっぽど安全が生死を分けるプロフェッショナルや、一歩間違えれば谷底の環境であれば別ですが、整備された道路で安定性の高い車でなんとなく走れてしまう状況では、普段から運転が楽しくない人に外を見ろと言っても、それは苦行でしかありませんね。

外を見る習慣を持つというのは、なるべく早いうちに作っておくべきものです。上記AI記者関連の記事も、そうした習慣の中で見かけたものですが、そもそもをたどれば上記のような作品の面白さが興味の目を開かせてくれたものです。

そう思うと、情報収集は「する」より「入ってくる環境を作る」、そしてまずは「目を開く」というのが大事ではないでしょうか。それにはライトな教養、小説や漫画などからセンスを養うのも非常によいと思います。